創作オリ棒

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「……わかりましたわ。この子に罪はありませんもの」

美さんが観念したようにため息をつき、俺に向かって言った。
「メインくん、お部屋の準備をして差し上げて。わたくしはこの子の話し相手になりますわ」
「うん、わかった。和仁さんにも手伝ってもらうよ」
俺が頷くと、哄さんは満足そうに目を細めた。
👁️‍🗨️「ふふ、賢明な判断です。……では、哭。良い子で待っているのですよ。お迎えには……必ず、私が来ますから」
哄さんは最後に、哭さんの頭を優しく撫でた。そして、昼間の明るい陽光の中に溶け込むように、飄々とした足取りで去っていった。

哄さんが去った後、玄関先には奇妙な沈黙が流れた。
日差しの暖かさとは裏腹に、目の前の哭さんから伝わってくる緊張感に、俺はどう声をかけていいか分からなかった。
「……哭さん、だっけ? 俺はメイン。こっちは美さん。とりあえず、中に入ろうか」
メインがしゃがんで目線を合わせると、哭ちゃんはビクッと肩を跳ねさせ、赤紫の上着に顔を埋めるようにして小さく頷いた。その白目は、まだ不安そうな「灰色」のままだ。
中に案内すると、騒がしい気配を察して日辻さんと和仁さんがリビングから顔を出した。
「可愛いお客様ですね!メインくんその子はどうしたんですか?」
日辻さんが目を輝かせて駆け寄ってくる。
「日辻さん、驚かせてはダメですわ。この子は哭さん。……少々事情のある方から預かりましたの」
美さんがテキパキと状況を説明し始めると、和仁さんも状況を察したようだった。
「事情は後で聞く。メイン、哭さんのために二階の空き部屋を整えてやろう。日辻と美さんは、あの子の緊張をほぐしてやってくれ」
和仁さんの提案で、役割が決まった。
和仁さんと俺が二階に上がり、埃を払ってベッドメイキングをしている間、下からは女子たちの穏やかな話し声が聞こえてくる。
「哭ちゃん、これ美味しいわよ。金平糖、食べるかしら?」
「……あ、……りがとう、ございます……」
小さな、消え入りそうな声。
どうやら、日辻さんと美さんの優しさが、少しずつ彼女の心の氷を溶かしているみたいだ。
「……よし、準備できたよ」
一階に戻って声をかけると、哭さんがゆっくりと顔を上げた。
さっきまでの不安そうな様子が少し和らぎ、彼女の視線が、部屋を整えて戻ってきた俺のところで止まった。
「あ……あの……」
哭さんが、俺の裾を指先でちょこんと掴む。
「……お部屋、作ってくれて……ありがとう、ございます……メイン、さん」

はにかむように笑った彼女の顔を見た瞬間、この住処での「数週間」が始まった...と改めて確信した。

つづく!!

みこ
•9mo
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