#5 巻き込み

#4

「変身を解けばへっちゃら」というシスターなぎの言葉に、私は少しだけ戸惑いながらも、差し出された手を取った。その瞬間、私はいつもの制服姿に戻り、確かに、壁に打ち付けられたりした痛みは消えていた。ただ、精神的な疲労だけが重く残る。
「立てますか?」
なぎさんは優しく尋ねる。私は頷き、柚來の方を見る。柚來はまだ生身のままで、肘を擦りむいて血が滲んでいた。
「柚來、怪我……」
「平気、平気!」
柚來は努めて明るく振る舞う。その健気な姿に、胸が痛む。
「では、二人とも。少し本部の方へ」
なぎさんに促され、私と柚來は昨日と同じ本部へと連れて行かれた。転送ゲートを通ると、無機質な白い部屋に出る。
部屋の中央には、昨日にも会った紫の人がいた。感情の読めない表情で、私たちを見つめている。
「叶さん!燐さんと柚來さんを連れてきましたよー!」
なぎさんが一礼する。紫色の人は…叶さんというらしい。叶さんは無言で頷き、それからじっと柚來を見つめた。その視線に、柚來が少し身構える。
「……鈴乃柚來さん」
低い声が響く。
「あなたには、とても素質があります」
叶さんは、少し考えてからそう告げた。
「貴方も、魔法少女になりませんか?」
その言葉に、柚來は完全に困惑していた。
「魔法少女……?」
呟くように繰り返す柚來。その時、隣にいたなぎさんが、焦った様子で叶さんに駆け寄った。
「正気ですか?! 昨日新しい子がなったばっかりですよ……?」
小声でそう言っているのが聞こえる。なぎさんは表面上はニコニコしていたけれど、その微笑みの裏には明らかな焦りが感じられた。昨日、私が「逃げ出せば爆発して死ぬ」と言われたことを思い出す。こんな恐ろしい契約に、柚來を巻き込むなんて。
けれど、紫色の人は涼しい顔で答えた。
「ええ。別にいいですよ……強くすればいいんですもの」
その言葉の裏にある冷たさが、ゾッとするほど恐ろしかった。
「…」

つーづーくーよっ☆

きゃろっと
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