題名何にしようか。

陽だまりは、僕にとって唯一の安全地帯だった。

 目を閉じれば、今でもあの日が蘇る。信頼していた兄、メインに、理由もわからず両親と一緒に襲われた記憶。あの後、兄さんは「経過観察処分」となり、僕たちの前から姿を消した。家族の絆はあの日、物理的にも精神的にもズタズタに引き裂かれたんだ。

 それ以来、僕は誰かと深く関わることを避けて生きてきた。冷たい風に当たると、あの日の恐怖が肌を刺す。だからこそ、公園の片隅にあるベンチで、ただ静かに太陽の温もりを感じる「日なたぼっこ」が、僕の壊れかけた心を繋ぎ止める大切な時間になっていた。

 その日も、僕はいつものように芝生広場の端で目を閉じていた。
 ふと、少し離れた場所に気配を感じて目を開ける。

 そこには、一人の美少女が座っていた。
 彼女もまた、僕と同じように顔を空に向け、穏やかな陽光を全身に浴びている。その横顔があまりに綺麗で、そしてどこか僕と同じ「寂しさ」を纏っているように見えて、気づけば僕は立ち上がっていた。

「……あの」

 自分でも驚くほど、自然に声が出た。彼女がゆっくりと目を開け、不思議そうに僕を見る。

☀️「君も、日なたぼっこが好き……なの?」
「……ええ。すごく温かくて、落ち着くから」

 彼女は小さく微笑んだ。その笑顔を見た瞬間、僕の心の中にあった壁が、音を立てて崩れた気がした。
 彼女の名前は「華」。話してみると、彼女もまた、過去に姉が行方不明になるという深い傷を負っていることを打ち明けてくれた。

「お姉ちゃん、どこにいるんだろう。今も、どこかでこの太陽を見てるのかな」

 華ちゃんの言葉に、僕は胸が締め付けられるのを感じた。
 僕の兄、メインくん。あんなことがあっても、いや、あんなことがあったからこそ、僕は彼が今どこで何を思い、なぜあの日あんなことをしたのかを知る必要があるんじゃないか。

 ずっと背を向けてきた過去。でも、隣にいる華ちゃんの震える手を見て、僕は決意した。

☀️「華ちゃん。……もしよかったら、一緒に探さない? 僕の兄さんと、君のお姉さんを」

 華ちゃんは驚いたように目を見開き、やがて力強く頷いた。
 ひだまりの中で出会った僕たちは、失われた「家族」の欠片を探すため、最初の一歩を踏み出すことにしたんだ。

🥕 #紙切れ
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