
Pitch Dev Studios事例:『Moon Kontrol』制作の舞台裏
2025年6月13日
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読了時間:約5分
はじめに
著名なコンセプトアーティストでクリエイティブディレクターのDavid Levy氏が率いるPitch Dev Studiosは、大型エンターテインメント作品の厳しい要求を知り尽くしています。映画とゲーム業界で合わせて数十年の経験を持つメンバー(『トロン:レガシー』『フィンチ』などに参加)が挑んだのは、オリジナルIPの立ち上げでした。皮肉の効いたSFアニメシリーズ『Moon Kontrol』です。ただし、ひとつ条件がありました。制作はすべてリモートで、世界各地のメンバーがMagmaを使って進めることです。
この事例では、Pitch Dev StudiosがMagmaでワークフローを変え、スムーズな共同制作を実現し、独自のビジョンを形にした過程を紹介します。
課題:リモートでの世界観づくり
『Moon Kontrol』の制作には、特有の課題がありました。
分散したチーム:メンバーはイスラエル、フランス、イタリア、アメリカなど各地に散らばり、タイムゾーンも専門分野も異なっていました。
リアルタイムのフィードバックが必要:オリジナルIPの開発では、すばやい試行錯誤と密なフィードバックのサイクルが欠かせません。
複雑なアセット管理:コンセプトスケッチから3Dモデル、キャラクターからビークルまで、更新され続ける大量のアセットを整理し、すぐに参照できる状態に保つ必要がありました。
創作に集中できる環境:アーティストには、ばらばらのツールや複雑なやり取りに振り回されず、制作に集中できる環境が必要でした。
David Levy氏はこう語ります。「Magmaのおかげで、世界各地に住むアーティストがひとつのチームとして働けています。以前はSlackやメールでスクリーンショットやレンダリング画像を送り、注釈を入れて送り返していました。時間がかかって流れが途切れ、勢いも創造性も失われるやり方でした」
解決策:生きたキャンバスとしてのMagma
スムーズなリアルタイムコラボレーション
プロジェクト専用のMagma「アートスペース」を用意したことで、Pitch Dev Studiosは各地に散らばる「オールスターチーム」をひとつの共有キャンバスに集めました。アーティストはどこにいても、同時にも非同期にも、制作、フィードバック、ブラッシュアップを進められるようになりました。
ライブコメントとペイントオーバー:アートディレクターはキャンバス上に直接フィードバックを残せます。チームが起きていても寝ていても、明確で具体的な指示が伝わります。
すぐに修正:Marcelo Villabona氏(背景)やAntonio De Luca氏(キャラクターデザイン)などのアーティストがすぐに反応して修正し、夜のうちに作業を前に進めました。
プロジェクト管理も一体化:Magmaの一元化されたワークスペース、バージョン管理、ロール別の権限設定により、外部のプロジェクト管理ツールやファイル共有ツールが不要になりました。


アーティストのためのクリエイティブツール
Magmaは単なるコミュニケーションツールではありません。Pitch Devのアーティストが思いどおりに制作できる環境でもありました。
カスタム図形ブラシ:Sparth氏のような巨匠の技法にならい、構図や背景、光を反射する月面の大まかな形をすばやく描き起こしました。
PDF・Photoshopファイルを直接読み込み:脚本、資料、3Dのベースレンダリングをすべてキャンバスに直接読み込み、すぐに書き込みやペイントオーバーができる状態にしました。
音声・ビデオ通話:チャットと通話が統合されているので、ミーティング、アイデア出し、講評を同じ場で行えました。
David Levy氏はこう話します。「『宇宙船をもう1機追加して』と伝えるためだけに、何ページものやり取りをしたくはありません。Magmaなら一目でわかり、直接伝わります。余計な手間がなくなり、アートに集中できます」
リモート制作のためのワークフロー
『Moon Kontrol』の制作は、リモートで試行錯誤を重ねる共同制作のモデルケースになりました。
自由な発想でのアイデア出し:アーティストはカスタムブラシや図形を使って月面の風景、構図、建築のフォルムをすばやく試し、画面の奥行きと雰囲気を固めました。
アセットの受け渡しとブラッシュアップ:ラフスケッチを3Dモデルにし、それをMagmaでペイントオーバーして、デザインとシーン内での見え方を詰めました。フィードバックはアセットの上に直接重ねました。
24時間止まらないグローバルなワークフロー:タイムゾーンの異なるアーティストがそれぞれの「日中」に作業し、メモを添えて次の人に引き継ぎました。そのため、プロジェクトは止まることなく進みました。
キャラクターとビークルのデザイン:シルエットや3Dのベーススカルプトを繰り返し磨き上げました。トップデザイナーのScott Robertson氏もMagmaのキャンバスに参加し、ビークルデザインのペイントオーバーをすばやく描きました。
「プロジェクトのアセットをすべて見て、コメントし、仲間に通話までかけられる。しかもキャンバスから一度も離れずにです。これは本当に画期的です。Magmaは、アーティストがアーティストのために作ったツールだと感じます」
— David Levy(CEO・アートディレクター)
成果とインパクト
制作スピードの向上:リアルタイムでも非同期でも試行錯誤、レビュー、修正を進められ、ボトルネックがなくなりました。
創作の自由:カスタムツールとスムーズなワークフローのおかげで、アーティストは進行管理の手間ではなく、アイデアと表現に集中できました。
ひとつになったリモートチーム:大陸をまたいで活動しながらも、Pitch Dev Studiosはフリーランスの寄せ集めではなく、本物のスタジオとして機能しました。
Magmaの開発に直接反映:Pitch Devからのフィードバックは、カスタム図形の機能強化など、Magmaの新機能に直接つながりました。アーティストとツール開発者の協力が生む価値を示す例です。
振り返り:リモート制作のこれから
David Levy氏にとって、Magmaは単なるツールではなく、新しい創作のかたちの土台です。
「私たちは、互いを滅ぼし合いさえしなければ、本当にクールで、よりよいものを作れる世代に生きています。Magmaがあれば、どこにいてもアーティストとしてつながり、創作し、成長できます」
『Moon Kontrol』はこれから本制作(Unreal Engineを使用)に入ります。Pitch Dev Studiosは、世界に散らばるクリエイティブチームでも、Magmaでならともに最高の仕事ができることを示しています。
活用したMagmaの主な機能
1つのキャンバスで最大50人が参加できるリアルタイムコラボレーション
レイヤー単位のコメントとバージョン管理
PDF・Photoshopファイル・3Dのスクリーンショットの読み込み
カスタムブラシと図形
チャット・通話機能
安全で一元管理できるアセット保管庫
まとめ
Pitch Dev Studiosの『Moon Kontrol』での歩みは、共同で使えるデジタルキャンバスの力を示しています。Magmaを取り入れた彼らは、リモートワークに適応しただけではありません。リモートワークの質を高め、クリエイティブの課題をイノベーションと表現の機会に変えました。







