小説「魔法少女は報われない★」

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《エピローグ:永遠の喜劇》

xx年後
あれから、どれほどの時間が経ったのだろう。
私は、ずっと怪物を生み出し続けた。人々が私に感謝の言葉を投げかけるたびに、胸の奥から湧き上がる言いようのない喜び。その蜜のような甘さに囚われ、私はひたすら闇を創り、そして、光でそれを壊し続けた。
いつしか、人々は私に「魔法少女ちゃん」と呼びかけなくなった。代わりに、私を見かけるたびに、ひそひそと囁き合うようになった。
「また、あの人よ」
「最近、怪物の発生頻度が異常だって話だよな」
それでも私は、怪物を創り続けることを止められなかった。それが、私の存在理由であり、生きる意味だったから。光を放ち、闇を打ち払うこと。それが私を私たらしめる、唯一の手段だった。
だが、それも、終わりを迎える時がきた。
ある夜、私が生み出した怪物が街を破壊していると、空から、まばゆい光が降り注いだ。それは、私とは比べ物にならないほど、清らかで、温かい光。光の中から現れたのは、私と同じように、可愛らしい衣装を身につけた、少女だった。
キラキラと輝くフリルの衣装。満面の笑みでステッキを掲げる、私とは真逆の存在。人々は、その新しい輝きに、熱狂していた。
「見て!新しい魔法少女ちゃん!」
「わー、超可愛い!」
「最高!本物の魔法少女って感じだ!」
私という存在は、あっという間に過去のものとなった。かつて私がそうだったように、新しい魔法少女は、人々の希望だった。
彼女は、私をまっすぐ見つめる。その瞳には、かつての私が抱いていた、純粋な希望と正義が宿っていた。
「あなた、一体…?」
思わず、そう呟く私に、彼女は何も答えない。ただ、ゆっくりと、私へと近づいてくる。そして、私と目が合った瞬間、彼女は悲しげに、そして決意に満ちた声で呟いた。
「もう、あなたの『輝き』は、終わったのよ」
彼女が掲げたステッキから、光が放たれる。その光は、私が創り出した怪物を一瞬で消滅させた。だが、彼女は攻撃の手を止めない。彼女の放った光は、まるで私を貫くように、私の胸を焦がした。
「ああ…」
その瞬間、私はすべてを悟った。彼女は、私を、怪物として認識している。そうか。私は、もう、ただの魔法少女ではない。煌めく光で闇を照らす存在でも、人々を救うヒーローでもない。
私は、闇を生み出し、世界を壊し続ける、ただの怪物。
かつて憧れていたはずの、新しい魔法少女によって、私は倒されるべき、哀しい怪物。
私の身体は、ゆっくりと光の粒へと変わっていく。最後に見たのは、私を倒した少女の、悲しみに満ちた顔だった。
「ホーヅキ・スターチス・エボリューション♢」
私は、消えゆく意識の中で、そう呟く。私の消えた空に、彼女の清らかな光が、眩しいほどに輝いていた。
ああ、人々よ。
あなたたちは、いつだって輝きを求めて、私を舞台に立たせた。そして、私から輝きが失われると、容赦なく次の輝きを求めた。この街で、この世界で、一番怪物なのは、あなたたちだ。
私の意識は、ゆっくりと闇へと沈んでいく。その最後の光景は、新しい魔法少女の周りで、楽しそうに笑い、拍手を送る人々の姿だった。
そして、また新しい物語が始まる。
この世界では、いつの時代も、新しい魔法少女が生まれ、そして、新しい怪物が生まれる。
私は、確かにこの世界から消えた。だが、私が創り出した「闇」は、決して消えることはない。
なぜなら、この世界は、いつの時代も、闇を生み出し続けるから。そして、その闇は、いつか、新しい「魔法少女」を、また別の「怪物」へと変えていく。
私の物語は、終わった。
だが、この世界に、永遠の『輝き』など、存在しない。そして、この光景は、まるで永遠に終わらない、地獄の喜劇のようだった。

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きゃろっと
•1yr
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