短編小説「水色のジブン」

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第5話 演じてきた自分
葉月のVTuberチャンネル「水色の画用紙」は、少しずつ、しかし確実に成長していた。
配信には、いつも十数人の視聴者が来てくれるようになった。コメント欄は、絵に関する質問や感想、時には他愛のない雑談で賑わっている。葉月は、一人ひとりのコメントに丁寧に返信し、ファンとの交流を楽しんでいた。
「今日は、みんなのリクエストに応えて、新しいキャラクターをデザインします!」
葉月は、目を輝かせながらそう言った。
きゃろる:わーい!楽しみ!
とんかつソース:どんな子になるんだろう?
雪見だいふく:水色の画用紙さんのセンス、大好きです!
ファンからの温かい声援に、葉月は心が満たされるのを感じた。
ある日のこと、葉月のチャンネル登録者数が100人を超えた。
「100人……!信じられない……!」
葉月は、思わず声を上げて喜んだ。たった100人かもしれない。だが、葉月にとっては、それは何よりも大きな一歩だった。
その日、葉月は感謝の気持ちを伝えるために、特別な配信を企画した。
「皆さん、本当にありがとうございます!今日は、皆さんのリクエストで、特別なイラストを描こうと思います!」
配信が始まると、コメント欄には、葉月を祝福するメッセージが溢れかえった。
おむすび:おめでとうございます!
メロンパン:これからも応援してます!
葉月は、そのコメントを読みながら、胸が熱くなるのを感じた。
「みんなに、この気持ちをどう伝えればいいんだろう……」
葉月は、思わず涙ぐんだ。画面には映らないけれど、葉月は心から笑っていた。
(本当の私を、受け入れてくれる人がこんなにたくさんいるんだ)
VTuberとしての活動は、葉月にとって、ただの趣味ではなくなっていた。それは、葉月が本当の自分を取り戻すための、大切な場所になっていた。
親戚からの冷たい言葉や、学校で演じる自分。辛い現実は変わらない。しかし、葉月には、もう一人で孤独を抱え込む必要はなかった。なぜなら、画面の向こうには、葉月の描く絵を愛し、葉月のありのままの姿を応援してくれる、大切な仲間たちがいたから。
そうして、葉月の気持ちは毎日少しずつ変わっていった。
嫌なことは嫌、好きなことは好き、って言ってもいいんだ。
私だって笑っててもいいんだ。
私は、
本当の小鳥遊葉月でいたい。

次最終話!!

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きゃろっと
•1yr
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