短編小説「MONOGATARI」

前回
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みんなを泣かせてやりたいです。
最終話 君と一緒ならどこまでも。

雪が舞う廃墟の教会。
ニアンが絞り出したような声で「ライ、、、くん、、、?」とつぶやくと、祭壇に立つ男はゆっくりと振り向いた。
その顔には、以前と変わらない面影があった。しかし、彼の右目の真っ黒な部分は、以前よりも深く、すべてを吸い込むような闇を湛えていた。そして、その左目には、もう光がなかった。何の感情も映さない、無機質なガラス玉のようだった。復讐の炎も、裏切りの決意も、そこには見えなかった。ただ、虚無だけがあった。
「ニアン、、、」
ライは静かに、ニアンの名前を呼んだ。その声は、かつてニアンに優しく話しかけていたライくんの声とは、遠くかけ離れていた。
ニアンの率いた討伐チームは、リーダーの命を待っていたが、ニアンは動けなかった。その瞳には、すでに涙が溜まり始めていた。裏切り者への憎しみも、復讐の炎も、目の前のライの虚ろな瞳を見た瞬間、すべてが溶けて消えた。
ニアンは、手からチェンソーを滑り落とした。重い金属音が石畳に響き渡る。
「、、、下がって。ここは、ボクがやる。」
ニアンの言葉に、討伐チームは戸惑ったが、リーダーであるニアンの命令に従い、教会から一歩ずつ後退した。教会の扉が閉ざされ、二人は暗い教会の中に二人きりになった。
ニアンは、涙を流しながらも、ゆっくりとライに向かって歩き出した。一歩、また一歩。
「何しに来たんだ、ニアン。私は、、、お前らの敵だ。君の両親の仇の、リーダーになったんだぞ。」
ライは声を震わせた。虚無的な瞳の奥で、彼の心が必死に叫んでいるのが、ニアンには分かった。
ニアンは何も答えず、ライの目の前まで来ると、その体を、そっと、でも強く抱きしめた。
「ごめんね。ライくん。」
それは、あの日花火大会で怒鳴りつけた、不良の口調ではない。あのショッピングモールで、ライにだけ見せていた、あの口調だった。
「ごめんね。ボクが、君の気持ちを分かってあげられなかった。ごめんね。」
その瞬間、ライの虚無的な瞳から、涙が溢れ出した。
「ニアちゃん、、、!ごめん、ごめん、、、!僕は、裏切るつもりじゃ、、、!そうするしかなくて、、、!こんなのは言い訳だって、、、わかってるけど、、、!ごめん、、、!」
ライはニアンの背中にしがみつき、何度も謝罪の言葉を繰り返した。彼の声は嗚咽でかき消された。
ニアンはライを抱きしめ、彼の頭を優しく撫でた。もう、過去のことはどうでもよかった。敵対チームのリーダーだなんて、どうでもよかった。ただ、彼がここにいる。それだけが、今のニアンにとって、世界のすべてだった。
二人はしばらくそうしていたが、やがて顔を上げた。ライの顔は涙でぐしゃぐしゃだったが、そのギザ歯を見せて、微かに笑った。
「逃げよう、ライくん」
ニアンは言った。
「どこへ?僕たちはもう、どこにも居場所なんて、、、」
「どこでもいい。」
ニアンはライの手を強く握った。
「殺し屋でもない、不良でもない、ただのボクとライくんに戻ろう。二人で生きていける場所を探すんだ。誰にも縛られない、広い世界へ。」
ライはためらうことなく、ニアンの手を握り返した。
「うん、、、!行こう、ニアちゃん!」

教会を飛び出した二人は、雪が降り積もる街を、ただひたすらに走った。冷たい風も、後ろから追ってくるかもしれない恐怖も、今はどうでもよかった。
ニアンはライの隣で、生まれて初めて心の底から笑った。
「ライくん、大好き!!!」
ニアンが叫ぶと、ライはためらうことなく、雪の降る夜空に向かって言った。
「ニアちゃん、大好き!!!」
彼らがこれからどこへ向かうのか、どんな困難が待ち受けているのか、二人には何も決まってはいなかった。
ただ、一つだけ確かなことがあった。
もう二度と、彼らの居場所を、誰にも邪魔はさせない。二人だけで、どこまでも。
そうして、二人は、広い世界の夜明けへと二人だけで走り出した。

残された人達どうすんねん!!!可哀想やろがい!!!

Participants:
うい
•4mo
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•10mo
•Edited