小説「魔法少女は報われない★」

小説の名前決まったあ!!

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【第3話:鎖は、煌めきを失う】
煌蘭の身体に残る傷跡は、増えていった。
結実からのいじめは日に日に激しくなり、心の痛みが身体の痛みへと変わっていく。煌蘭は、結実に向けた魔法少女としての訴えを、もう二度と口にすることはなかった。昼間の私は、ただの黒百合煌蘭。夜の私は、みんなの希望である魔法少女ちゃん。そうやって、二つの自分を完全に切り離すことで、彼女はかろうじて正気を保っていた。
だが、そんな煌蘭の唯一の拠り所だった魔法少女としての活動に、次第に影が差し始めた。
怪物が現れる頻度が増え、煌蘭はほぼ毎晩、街を駆け巡ることになる。最初は「助けてくれてありがとう!」と頼りにされ、理想の自分になれたことが嬉しかった。魔法少女として生きることに、自分の存在理由を見つけ、煌蘭の毎日が輝いて見えた。
でも、いつからだろう。
人々は、魔法少女の存在を当たり前に思うようになった。
「また魔法少女ちゃんかよ。どんだけ暇なんだよ」 「あいつが戦うのは当然だろ。それが仕事なんだから」 「なんか最近、怪物の動きが緩慢じゃない?手抜きだろ」
SNSの掲示板は、いつの間にか心無い言葉で溢れていた。かつて煌蘭を温かく満たしていた言葉は、見慣れない誹謗中傷に変わっていた。
「魔法少女ちゃん、なんかブスじゃね?」 「ダサい格好してんの、いい加減やめたら?見てて痛い」
煌蘭は、夜中にベッドの上でスマートフォンを握りしめ、ただ震えることしかできなかった。誰にも見せないよう、右目の傷も、腕の傷も隠している。それなのに、なぜ、みんなは私の心の奥底まで見透かしたかのような、辛辣な言葉を投げつけるのだろう。
魔法少女であることは、いつしか煌蘭を苦しめる鎖になっていた。
街を歩けば、自分を見つけて騒ぐ人々。だが、その瞳には憧れも尊敬もない。ただの物珍しさ、そして少しの嘲笑。煌蘭は、自分に向けられる冷たい視線を感じるたびに、胸が締め付けられるような痛みを覚えた。
そんなある夜、煌蘭は、いつものように現れた怪物を倒した。だが、人々は感謝の言葉を口にせず、ただスマートフォンを片手に、その様子を動画に収めている。
「お、ナイスー」 「なんか、全然迫力ねーな」 「てか、結局、誰が怪物作ってんの?」
最後の言葉が、煌蘭の心臓を鷲掴みにした。
『自分が生み出した闇を、再び光で照らすことでしか、もう輝けないということに』
煌蘭は、はっと顔を上げた。
そうだ。私が怪物を作れば、再び人々は私に感謝する。そうすれば、私はもう一度、輝くことができる。
その重く暗い考えは、甘い蜜のように煌蘭の心に染み渡っていく。
煌蘭は、人々の目に映る魔法少女の姿を、鏡の中の自分を見つめるかのように眺めていた。そこに映るのは、かつて憧れた輝く存在だったはずなのに、いつの間にか、闇の中でひっそりと光を放つ、哀しい怪物になってしまっていた。
その夜、煌蘭は街で、自分を罵った男を、ひっそりと追いかけていた。そして、その男が通り過ぎた路地裏で、煌蘭は、魔法少女としてのステッキを、誰にも見られないよう、ひっそりと掲げた。
「スノードロップ・ワスレナル・カーネーション★」

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