Sad Bananaさんインタビュー:絵を描く楽しさを再発見
2024年8月30日
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ライター兼マーケター|絵本、博物館、そして韻を踏む詩のファン
Anya Kondratyeva:絵を始めたきっかけと、描くのが好きなものを教えてください。
Sad Banana:最初のスケッチブックを使い始めたのは中学生のときです。そもそも絵を描きたいと思ったのは、『ブレス オブ ファイアV』や『ダーククラウド』といったゲームがきっかけでした。今でもファンアートは大好きですが、自分の画風や、どんなものを描くのが好きなのかは、まだ探しているところです。ファンタジーをテーマにした作品が好きだと気づいてはいるのですが、最近は練習(スタディ)ばかりしています。コンセプトが固まるまでは、資料を見ずに自由にスケッチできるようになりたいですね。

名前の由来を教えてください。
Sad Bananaは、ちょっと前からの名前なんです。自分が「sad(悲しい)」人間だとは思っていないので、「sad」を外そうかと考えているところです。
始まりは、大好きだった先生との内輪ネタでした。あるコンクールに出たとき、不当に失格にされるんじゃないかととても不安で、先生に愚痴をこぼしていたんです。先生はちょうどバナナを食べていて、「sad banana(しょんぼりバナナ)になるなよ」と言いました。その言葉がなぜか心に残って、響きもいいなと思ったんです。それで、その先生への敬意を込めて、Sad Bananaと名乗るようになりました。
最近、Cybernautさん(MagmaのDiscordのモデレーター)が、「Chad」のミームのような、あごのラインがシャープでたくましい顔をしたバナナのおもしろい絵を描いてくれました。それを「Chad banana」と呼んでいたので、名前をそれに変えたらおもしろいかもと思って。Discordでは名前の前半をときどき変えようかと考えていますが、「banana」はずっと残すと思います。

そもそもMagmaはどうやって知ったのですか?
MagmaがまだAggie.ioという名前だったころ、絵描きの友だちが一緒に描こうと誘ってくれました。くだらないものをたくさん描いて、すごく楽しかったです。でもそれ1回きりで、ほかに一緒に描く相手もいませんでした。
自分と同じくらい絵が好きな人たちに囲まれていたら、もっと刺激を受けられるだろうと思いました。そこで友だちを誘って一緒に描くことにして、ログインしてみると、MagmaのサイトにDiscordサーバーや、新しいアートジャムのページがあることに気づきました。
普段の私はかなり引っ込み思案で人見知りなので、それを見て何日か悩みました。絵を描きたかったし、ほかのアーティストとつながりたかったのですが、それには勇気が必要でした。そこで、ほどよい一歩としてDiscordサーバーに参加して、しばらくは見るだけで雰囲気に慣れることにしたんです。
参加してしばらくすると、Magma Clubhouseの配信があって、私も参加しました。Anya RobbinsさんとFlorent Fargesさんがホストを務める石膏デッサンの回です。自分の殻を破るために、思い切って参加しました。石膏デッサンは久しぶりでしたが、アナログで描いていた原点を思い出しました。
そのあいだずっと、肩に力が入っていて、すごくいいものを描かなきゃと不安でした。でもイベントの最後に、Yagaさん(MagmaのDiscordにいるアーティスト)が石膏像の資料から小さなモンスターを作って、みんなで描き足そうと呼びかけたんです。
そのとき、自分にずっと厳しくしすぎていたことに気づきました。いつもいいものを描かなきゃと思うあまり、つくることの楽しさを忘れていたんです。キャンバス上でみんなと一緒にそのモンスターを描いていると、まったく意味不明で、気まぐれで、おかしくて、これこそ自分がアートに求めていたものだと気づきました。そして、一緒に過ごして楽しみたいのはこのアーティストたちなんだ、ここが自分のコミュニティなんだと思えたんです。

1人で描くときと、ほかの人と一緒に描くときでは、どんな違いがありますか?
1人で描いていると、やる気が出なかったり、すぐに感想をもらえなかったりすることがあります。でも誰かと一緒に描いていれば、「ねえ、これ変じゃない?」と聞けますし、誰かが「すごくいいね」と言ってくれて、自分の作品の見え方が変わることもあります。アーティストは自分の弱点をよくわかっていて、つい自分にいちばん厳しい批評家になりがちです。でもほかの人は欠点ではなく、得意なところに目を向けてくれます。ほかのアーティストと一緒に描くと、思っていたほど下手じゃないのかもと気づけるんです。
私自身、ここ3年でいちばんたくさん描いていると思います。Discordサーバーで過ごしていたり、Magmaの配信に参加していたりして、気づいたら8時間ぶっ通しで描いていたときは、信じられない気分でした。以前は1時間描くのも、ときには鉛筆を手に取ることさえ、ひと苦労だったんです。
自分がどれだけ楽しんでいたかに気づくまで、ちょっと恥ずかしいくらい時間がかかりました。ようやく気づいたのは、Magmaのキャンバスでほかのアーティストと描いていて、ふと時計を見たら……朝の4時だったときです。作品を描くために、寝る時間をとっくに過ぎても起きている。そんな感覚は何年も味わっていませんでした。「わあ、この気持ちはまだ死んでなかったんだ」と、うれしくてたまりませんでした。描きたい、つくりたいという気持ちの火が戻ってきたんです。

みんなで描くキャンバスを楽しむコツは何だと思いますか?
まずはキャンバスのお題に沿うことですね。少なくとも、普段描いているものをキャンバスのテーマにうまく取り入れる工夫をすることです。私が気に入っているキャンバスには、とても具体的なテーマがあるものが多くて、同じ題材がいろいろな画風で描かれているのを見るのはすごくおもしろかったです。制約があるからこそ生まれるアイデアを見ると、とても刺激を受けます。

スランプに陥っている人に、アドバイスはありますか?
何よりもまず、自分と向き合って、そもそもなぜ絵を描き始めたのかを考えてみてください。経験から言うと、それが多くのつらい時期を乗り越える支えになります。描きたいと思う原点を見つけて、刺激をくれるアーティストのコミュニティも見つけましょう。1人で抱え込まないようにしてください。下手な絵を描くことも、自分に許してあげてください。わざと下手に描いてもいいくらいです。それが私からのアドバイスです。

お気に入りのMagmaのツールは何ですか?
なげなわ塗りつぶしツールがかなり気に入っています。私はよく、描く対象の背景を長方形や動きのある形などのブロック状に塗るのですが、いつもは手で塗っています。でもなげなわ塗りつぶしツールなら、枠を描くだけでいいので、ブラシの設定を調整して、塗りつぶして、はみ出したところを消して……という手間がかかりません。形を描けばそのまま塗りつぶされて、それで完了です。
パース定規もおすすめです。パースは少し苦手なので、ときどき練習しているのですが、数回クリックするだけでパースのグリッドを引けるのは本当に便利です。

Magmaで描いた作品のなかで、いちばん気に入っているものは?
少しずつ植物好きになってきています。最近シンゴニウム・アルボを迎えたのですが、新しい葉が出てきてすごくうれしかったんです。新しい家を気に入ってくれた証拠ですから。そこで当然のように、お祝いの絵を描きました。ほかの子たちもシリーズで描きたいと思っています。それぞれにまつわる小さなエピソードや、うちに来た経緯も添えるかもしれません。おかしな名前の子もいるので、少なくとも名前は紹介するつもりです。

最後に、ほかのアーティストに伝えたいことはありますか?
自分の声が届いていないと感じても、作品が思うほど洗練されていないと感じても、つくり続けることがとても大切だと思います。アートや、ものづくりへの愛を持ち続けてください。それがきっと、遠くまで連れていってくれます。
つくる過程に喜びを見つけて、結果にはあまりとらわれないこと(言うのは簡単ですけどね)。自分の成長をほかの人と比べるのではなく、過去の作品と比べてどれだけ進歩したかを見てください。昔の作品を見返して、自分がどれだけ成長したかを認めてあげましょう。そして最後に、つながれる人、一緒につくれる人、刺激をもらえる人を見つけてください。

ライター兼マーケター|絵本、博物館、そして韻を踏む詩のファン
















